伊坂幸太郎『オーデュボンの祈り』
2023年 12月 12日
2023/12/12(火)
7時半近くに起床。慌てて卵焼きとサラダ。
どんどん、起きるのが遅くなる。
昨日読み終わった小説。
伊坂幸太郎『オーデュボンの祈り』新潮文庫、2003年、2000年単行本。
伊坂幸太郎ワールドの原点を今頃読む。やはり、順を追って読むほうが正解だったのだろうが、そのあとの作品を忘れて読むと、直木賞的ではなく、芥川賞的な感じが強い。もちろん、面白い会話、蘊蓄があって、言語芸術を極めるよりも、ミステリーという新分野を開拓するという意思が強いのかも知れない。
でも、一人の読者として、読んで、やめて想像するという過程が多くて、それ以降の作品のように、次を読まないといられないというエンタメ要素は少なかったと思う。
つまり、抽象絵画に出会ったような、その数ページを自分で味わうという経験がそこにはあった。
カカシが素晴らしい。限界芸術やアルカイックアートがやろうとしたことが、歴史的な小説という文脈で成功している。
鎖国と開国の歴史的裏返し、仙台市の向こうの荻島。
「城山」・・絶対悪の人物。こういう人物は、伊坂幸太郎ワールドでは、その後も常に登場する。どんどん、しぶとくなるが。
リョコウバトの絶滅という史実が入っていて、なかなかに奥が深い。
ジョン・ジェームズ・オーデュボン(1785年4月26日 - 1851年1月27日)は、アメリカ合衆国の画家・鳥類研究家。北アメリカの鳥類を自然の生息環境の中で極めて写実的に描いた博物画集の『アメリカの鳥類』(Birds of America, 1838年)によって知られる。
<コンビニ強盗に失敗し逃走していた伊藤は、気付くと見知らぬ島にいた。江戸以来外界から遮断されている“荻島”には、妙な人間ばかりが住んでいた。嘘しか言わない画家、「島の法律として」殺人を許された男、人語を操り「未来が見える」カカシ。次の日カカシが殺される。無残にもバラバラにされ、頭を持ち去られて。未来を見通せるはずのカカシは、なぜ自分の死を阻止出来なかったのか?卓越したイメージ喚起力、洒脱な会話、気の利いた警句、抑えようのない才気がほとばしる!第五回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞した伝説のデビュー作、待望の文庫化。>
<伊藤:本作の主人公。五年間勤めたソフトウェア会社を退職。コンビニ強盗をして捕まるが、パトカーから逃げ出したところを轟に連れられて荻島に来ていた。
城山:伊藤の中学時代の同級生。現在は警察官。残忍な性格だが頭が良く、裁かれない立ち位置から人の破滅を眺めることを何よりも好む。伊藤の逮捕に関与し、そこから元恋人の静香に目をつける。
静香:伊藤より二歳年上の元恋人。自分の存在価値を求め、仕事に打ち込むキャリアウーマン。城山から伊藤がコンビニ強盗をしたことを聞き、彼の行方を気にしている。
祖母:すでに他界した伊藤の祖母。彼の行動原理は彼女の教えによるところも多く、度々回想で登場する。伊藤には、いつも逃げていると厳しい。
優午:喋るカカシ。百五十年も前から荻島を見守っていて、未来を見ることができる。ただし、未来について他人に教えることはほとんどなく、島民からは信頼されると同時に恨まれることも少なからずあった。人間が他の動物よりも優位であるという偏見にとらわれない。特に鳥には優しい。カカシなのに。
日比野:まるで長年の友人のように伊藤に接してくる島民。幼いころから両親がいないせいか、考え方が独特で人とのコミュニケーションがうまくいかないことがしばしばある。佳代子に片思い、馬鹿にされている
轟:荻島で唯一島内外を行き来している男。島外への郵便配達人でもある。地下室にオーディオセット。これが、150年続く、島にないものの正体になる。
園山:元画家。五年前、妻を殺害されてから気が狂い、反対のことしか話せないようになってしまった。また決まった時間に散歩することでも知られ、島民の時計代わりにもなっていた。
曾根川:伊藤より三週間前に荻島に来た、百五十年ぶりの島外の人間。伊藤とは違い、優午の存在を信じなかったり轟ともめたりと、島民からはあまり歓迎されていない。
若葉:十歳前後の少女。地べたに寝そべり、耳を当てて自分の心臓の音を聞くのが好き。草で罠を作る。
草薙:二十代前半の青年。郵便配達をしている。妻の百合が彼の支えであり、百合の言うことを鵜吞みにする傾向がある。
百合:草薙の妻。落ち着いた雰囲気の女性。亡くなる人の手を握る仕事をしている。
桜:荻島で唯一殺害を許されたといっても過言ではない男。桜は気に入らなければ老若男女問わず殺害し、島民もそれを当たり前のように受け入れている。ちなみに名前の発音は春に咲き乱れる『桜』と同じ。
ウサギ:市場にいる女性。体重は三百キロくらいあり、気が付いたら身動きがとれなくなり、それからは市場の自分の店で暮らすようになった。身の回りの世話は夫がしてくれる。
田中:三十代。生まれつき右足の股関節にハンデを抱え、普通に歩くことが出来ない。それなのに、物見台に登る。
佳代子と希世子:双子の姉妹。美しい容姿をしているが、残酷だと優午は称している。
小山田:日比野の幼なじみで、警察官。威張ったり見栄を張ることはなく、勤勉家。城山との対称性>
音楽。ああ、そうか。サックス

