いろんな短い出し物を寄せあって席をつくる、つまり「寄席」なのだ。カフェ寄席って感じかな。
2006年 01月 28日
季節はずれと書いたが、いまちょうど沖縄県名護市では彼岸桜が満開だそうで、季節はずれというのは、関西ではまだ早いっていうだけだ。沖縄本島は桜が北から南へと下がって開いていく。局地的、限定的な動きだが、その反対方向の動きが昔からいいなって思っている。
それにしても単調で臆病な毎日が最近続いているな。今日も、一つ見終わって、さて次は声を伝えるシリーズ『屋上』、藤本由紀夫さん×大和川レコードさんのパフォーマンス楽しみだなあと動物園前駅まで行こうとして、でも、身体がぞくぞくしてきた(どうも縁起の悪いマフラーと帽子の組みあわせというのがあって、今日がそれだったので、帰ってしまう。やっぱり、早く帰ってきたのね、とか言われて、何だか更年期ってあるあると芳江に言われてきた暗示が現実化してきたみたい(と、人のせいにするのもよくないが。昨年はある事件のせいにしていたし)。
中崎町駅すぐにかわったcommon Café。扇町ミュージアムスクエアのそばにあったときはちょくちょく顔を出していたが、かわってから初めて。駅のそばなのに道の反対側かと思って(南北を逆に思ってしまったのだ)しばし途方に暮れる。入ると広くていい空間だった。でも、そのフランスパン企画「ourHour」という催しの開場時刻を開演時刻と間違っていたので、S君から、えらく早いですねえと言われて、もう14時半すぎてるやんと思ったけれど、準備が遅れているのでびっくりされているのかしらと思ってチラシをよく見ると、15時開場で16時開演だった。
ということで、サクラビル(アンティーク着物のひょうたん屋など)とかに点在する雑貨屋さんを冷やかして回る。古い共同アパートの佇まいにほれぼれ。路地に逃げ込むネコを追いかける。あまりに狭いところでお茶を飲んでいる人達を眺め、置かれているおもちゃの類がかなり類似していることに気づく。アマントあたりが古株になってきたな。
TAM研とかの企画として、コモンカフェに集合して、日替わりマスターシステムのことなど面白い試みを知った後、かいわい探検するのもいいだろうなあ。数人でテーマを分担、楽しく調べてきて報告って感じ。一番いいのは学生がマスターになってしまうということか。テーマは、各種お店別レポート(改修された建築デザインのこと、店の名前とかコンセプトのこと、店内のコーディネートやBGM、雰囲気作りのこと)、まちなみの観察・チャームポイント・問題点、路地歩きでの発見(ねこ、とり、植物、植木、洗濯物・・そういえば、大根が切られて吊るされていて、その大きさの階段のゆらぎが絶妙な白さだった)、遭遇した人たちの観察、挨拶、やりとり(自然に会話できたら最高。でもインタビューしてもいいか)。「レトロ」とは何だろうという少し抽象的なテーマとかもいいな。
さて、ライブである。まず、開演前にジャズ。大阪外国語大学のジャズ研だった3人の演奏。じゃず大関というグループ名(コントラバスの大関にトランペットとギター)。2曲だけ、フランスパンの本條マキが歌う。もともと彼女はいい声だし歌うことが好きだろうと思ったら案の定だった。
そのあと、16時すぎから17時52分まで。トークショーとかミニ芝居とか。Marujiのトークがなかなか面白かった(何かをパロディしているのだろうが、その何かが分からないというこちらの問題はあったが。もう一人のモナイという人も最後のオチだけのためにのっぽさんしているあほらしさはそれなりに面白い)。フランスパンは、主宰で作・演出の伊藤拓が出演した3人芝居。いたこメイドカフェは成功するかどうかっていうことに最後はなってしまったが(オチっぽかったな)、途中まではドタバタブラックな笑い。照れないところがよい。場所がカフェだしメイド→冥土だし。ではじめちょっとチェルフィッチュオマージュぽくしているのもふふふである。
それにしても50名定員ということだったがいっぱいの盛況。企画の中心は本條マキの一人芝居かなと思ったが、確かに彼女の声と表情は聞き応えあり。新聞紙の父親をぼかぼかする悲しい一人っ子の物語、独白劇。終わり方は唐突だけれど、オチがない分さっぱりと余韻が残る。あとは、カームダウンのヘタリ系の音楽。カフェライブ、ライブオムニバス。いろんな短い出し物を寄せあって席をつくる、つまり「寄席」なのだ。カフェ寄席って感じかな。あるいは、寄席カフェ。寄席カップ、寄席カップル、寄席河童えび船・・喫茶寄席、寄席喫茶、寄喫席茶、寄茶席喫、切先寄席、余生寄席、寄席止せ、おっといかん。
OMSがかつてこういう企画を続けていていたが、その流れかも知れない。「お笑い」しか見ないいまどきの学生を連れてくるにはもってこいかも。ゆず茶を飲む(Orange houseが喫茶運営)。ビールを飲まずに偉かったなあと自分ほめしていたのに、帰り寒気して日本酒パック(牛乳パックみたにストローで飲むこの姿は、カップ酒、車内飲みよりもっといじましいものだが、まあ、それもまた乙ということにしてしまおう~だからわたしには化粧を車内でしていることなど咎める資格ないけど、まだ独り言をぶつぶつは言わないので携帯電話をしている人へ物言う資格はある)。
パックでもカップでもマスでもビンでも、いつか機会ありましたらお酒ご一緒させて下さい。突然すみません。長々と失礼しました!!
「モエミ」役をやってた森田といいます。
「照れないのがいい」というのは私のこともでしょうか?
もしそうだとしたらうれしいです。
誰よりも「恥も外聞もない」スタイルを目指していますから。
ありがとうございました。