Ca・ballet『くるみ割り(風)人形と二十日(ぐらい)ねずみの戦い(キャー!!)』栗東
2006年 03月 18日
栗東さきらで、Ca・ballet『くるみ割り(風)人形と二十日(ぐらい)ねずみの戦い(キャー!!)』(構成・振付・演出:北村成美)を観る。
前説のアナウンスで、キャー!!をはじめますというのには笑えた。
ここの小ホールは横に広い楕円形なので遠望するのには不適切。6名が踊るので、観るほうは適当に視線を動かすことになる。そのせわしなさを緩めるために立体的な演出部分があって、後半(天井から落ちてくるファーストフードの散弾銃のあと)は特にどんどんここの楽しさが加速して行く。
不安な物音。戦争の音というよりも、となりで指定管理者制度のための工事を無遠慮にやっているような物音が単調に耳障りに始まりから続く。そこで、チャイコフスキーのくるみ割り人形なのだから、どうしても、集中と夢中という御伽噺の視覚的心地よさを疎外することがねらいのような神経質な聴取の始まりとなる。
円筒のポテトチップスを入れる容器が舞台美術であり武具となる。築城と崩壊。塹壕と突撃、退却。縞々のロングソックスがライフルになる様が秀逸。踊る身体ならではの模擬、ミミクーリである。
子どもが多数見守る中での戦争ダンス。どうしても配慮することが多くなるとは思う。でも、思い切って提示するものは提示するという勇気がこの作品はキーになるのだろうと思いつつ京都駅へ。
夜は、4名の退職される先生方を送る教員による夕食会。いよいよ新学期が始まる。結局、準備はたいしてしていないなあ。