また伏見のまちをあるく でも寺田屋に上ったり、きょうは観光客気分だった
2006年 06月 17日
納屋町にはそこから路地のように横に伸びて小さな店がならぶ「なやまちセンター」があって、中にはコロッケ60円で2階では揚げたてとビールなどを飲むスペースがある小粋なおじさんの店とか、手作りお菓子を売っている小店などもあり、また入ってみようと思わせる。
雨が降ってきて、黄桜ファクトリーによりちょっとカップ酒を飲んでいるうちに、もうお芝居に行きたくなくなる。くしゃみも出てきて、今日はだらだらした一日でいいやというわけ。でも、芳江も中書島までぶらぶら歩いてちょっとした観光気分になったようでよかった。
観光客のようなことを一人では絶対にしないのだが寺田屋にも入ってみる。改造されていまも旅館として営業しているが、昼間は400円で見学することもでき、いささか当時の雰囲気、空間の感じ(狭いのにどこか気持ちがいい隠れ家になっている)を知ることができる。おじさんが名調子で案内する。川幅がもっと広くて、維新前後はすぐに30石船に乗り込むようになっていたそうだ。
道路ではなく川が交通の手段になっていたから、刺客も川からやってくる。このあたりの商店の成立には川の存在が欠かせないわけで、全国津々浦々戦後急激に進んだ道路の整備が商店街を壊滅してきたいまとなっては、川はただの遊覧でしかない。が、少なくとも公共交通路線としての鉄道と商店街の関係は基本としてあるので、それにプラスして昔の川との関係も思い起こしたプランニングによって、このあたりが訪ねて気持ちのいい環境にもっとなるにはどうしたらいいのか、自分もまた考えたいと、雨でいっそう川辺の緑、寺の門から見えるしっとりとした光景に満足しながら帰った。
昨日に続いてまた伏見のまちをあるいたわけで、でもきょうは観光客気分だった。
ここでありゃありゃ、お仕事モードになってしまうが、京都橘高校の2学期、ゲストシリーズ3週間(①展覧会と博物館、②イギリスの文化政策、③建築インテリア)後に「観光」という文化政策についての概論をまず行うといいなと思う。もう一度2学期の中間テスト直後のここへ来ようと思っているので、1学期の発表後のフォローをするとともに、観光についてのフィールドワークということになるだろう。