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まつらう(まつらふ) 服ふ、順ふ。奉るの継続体。

薄暗い杉山不動の滝音を聞いている。
鬼を鎮める不動明王そのものも、実は鬼なのかも知れない。
竹が林立するお墓の丘。私たちのマンションも見える。
10数年前頃、よく各地で演じられていたソーントン・ワイルダー「わが町」のお芝居の後半部分を思い出す。
神應寺の鐘の真下には踏み台があって、鐘の中に入ることが出来る。そして、声を出してお願いをすると叶うらしい(http://homepage2.nifty.com/bu-ra-ri/otokoyama.htm)。

小松和彦・内藤正敏『鬼がつくった国・日本』光文社文庫、1991年。
「《鬼》とは、占い師、山伏、流人など、権力に屈し社会の周辺に排除された者たちを言う。」
「人間は恐怖する動物である。見知らぬ者、異形の者、異文化に属する者を恐怖する。そして、なによりもおのれの権力にまつろわぬ者を恐怖し、その結果、葬り去った者の怨念を恐怖する。こうして恐怖の対象となった者が、鬼と名づけられた。そのいっぽうで、恐怖する人間は恐怖から逃れるために集団をつくり、やがて国家を形成する。言いかえれば、国家が国家として存続するためには、国家の外部につねに鬼を必要としたのだ。」

文化行政の起源についてのあれこれ・・・・
まつりごととしての政治、統治。
闇に潜む魔。まつろわぬ人たちとしての蝦夷、鬼征伐。
祭礼一致ということ。アニミズムとシャーマニズム。
祀る、祭る、奉る。
まつらう(まつらふ) 服ふ、順ふ。奉るの継続体。服従する。つきしたがう。不服従がまつろわぬ。
文化が、軍事力でなく外敵を平伏する意味であったこと。「文徳で教化すること。力や刑罰を用いないで人民を教え導くこと」
「文」は、「人の胸を開いて、そこに入れ墨の模様を書く」さま。

無関係だが
すもう→すまふ→すまひ→素舞(裸で舞う)という語源説を知った。

もちろん、古語辞典にあるように「すまひ」という動詞の名詞化というのがオーソドックスな語源説のだろうけれど。
「すまひ(拒ひ)」相手の働きかけを力で拒否する 抵抗する。身をもって拒む。
by kogure613 | 2006-08-16 23:20 | こぐれ日録 | Trackback | Comments(0)

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