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佐藤真監督の訃報、鈴木清順監督の『夢二』

9/6(木)
朝刊を見て声を上げた。
いつもドキュメント映画上映会とか、スタジオが出来たとご案内いただいている佐藤真監督の思いがけない訃報。   
参照:「まひるのほし」中心の監督のインタビュー記事

「4日午後、都内の団地の階段から飛び降りたという。昨年から入退院を繰り返していた。自殺とみられる。」(京都新聞、07.9.6)

株式会社シグロ代表の山上徹二郎さんの訃報によると(山形ドキュメンタリー映画祭のコミュニティより)、より具体的に、昨秋から佐藤監督がうつ病の治療をしてこられたことが書かれており、その過程でのかなり発作的な飛び降り(「8/31の抗うつ薬の多量摂取による昏睡状態」が前置されてはいたが)だったという。49歳。京都に来られているのだから、またお会いしたいし京都の国民文化祭のことなども相談したいと思っていたのに、言葉がない。

夜、鈴木清順監督の『夢二』(1991年、128分)。
坂東玉三郎が澤田研二と並ぶと背格好だけではなく、姿勢や漂うものが好対照で、聖と俗の対比が決まっている。この映画は夢二という大衆画家の世俗性、大衆性に即して、鮮やかな絵巻物を作っている。金沢に行かない前の田舎の描写や、金沢の御殿のけばけばしい壁色、黄色のボートと緑の池など、レトロもいいけれど、こういうあざとさもありだなあと見とれる。映画の緊迫感はあんまりなくて、それでも最後まで清順映画をきちんと見た(どうも、きちんと最後まで意識を切らさずにみた覚えがなかったので)。

少しずつ、アーツを取り戻しつつあるのかもしれない。
テレビづけから、音楽CDを選んで聴くあたりへ。そのきっかけは、バルトークのバイオリン協奏曲とバイオリンソロだった。身体がびくっと覚醒して行くのを眺めている。メニューヒンの50年ほど前の録音。
武満徹(若杉弘指揮、東京都交響楽団)も合わせて聴く。じつは、なかなか最後までちゃんと聴けないのだ。特にオーケストラ作品では、靄が立ち込めた世界のなかで迷子になってしまって。
by kogure613 | 2007-09-06 06:12 | こぐれ日録 | Trackback | Comments(0)

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