自殺統計の違い・・・警察庁「自殺の概要」と厚生労働省人口動態統計の関係
2009年 03月 06日
なお、警察庁のまとめた「自殺の概要」の自殺者数と厚生労働省のまとめた「人口動態統計」の自殺死亡数の差異は下記によるものである。
1 調査対象の差異
警察庁では、総人口(日本における外国人も含む。)を対象としているのに対し、厚生労働省は、日本における日本人を対象としている。
2 調査時点の差異
警察庁では、発見地を基に自殺死体発見時点(正確には認知)で計上しているのに対し、厚生労働省は、住所地を基に死亡時点で計上している。
3 事務手続き上(訂正報告)の差異
警察庁では、死体発見時に自殺、他殺あるいは事故死のいずれか不明のときには、検視調書または死体検分調書が作成されるのみであるが、その後の調査等により自殺と判明したときは、その時点で計上する。これに対し、厚生労働省は、自殺、他殺あるいは事故死のいずれか不明のときは自殺以外で処理しており、死亡診断書等について作成者から自殺の旨訂正報告がない場合は、自殺に計上していない。
つまり、警察統計の方が多い(その差は、1年間で2000~3000人ぐらいだといわれています)のは、
日本における外国人を含み、発見時には不明でも警察で調べて自殺と判明したときは載せているからだということになるのでしょう。
以上のメモを残したのは、この記事に関して思い出したからでした。
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20090306ddm041040168000c.html
警察庁は5日、1月の全国の自殺者は2645人だったと発表した。月別の自殺者数公表は初めて。10年連続で3万人を超えた07年(3万3093人)の月平均(約2758人)は下回ったが、厚生労働省の人口動態統計の08年1月分と比べ340人増えた。下線部は、単純には比較できないのになあ・・・ということです。あと、都道府県別についてですが、警察統計は「発見地」なので、住所ではなく、自殺しやすいところが多くなるということも少しはあるかも知れないですね。
http://www.47news.jp/CN/200903/CN2009030501000637.html