「細君」のこと。志賀直哉の「山科もの」を読みながら

2010/1/23(土)
今朝は、2時に一度目が覚めたが、水を飲んでまた寝ようとしたら、断続的に4時50分まで、さまざまな夢の連鎖劇だった。でも、4時前と5時前では頭のすっきり感が随分違う。

昨夜ツイッターでJさんが、「細君(さいくん)」とご自身の配偶者を呼ばれたら、通じなかったというような話題があり、自分の世代でもそういう古風な呼び方(「細君」)をする人たちは少ないだろうし、どちらかというと、夏目漱石などを読んで、よく、何々君の細君が・・という風に、同輩かそれ以下の人の配偶者を指す明治や大正の歴史的事実として、小さいときから印象付けられているとツイばったりした。

でも、あとで調べると、自分の配偶者である妻を「細君」と呼ぶところから転じて、同輩以下の妻をも「細君」と呼んだのだそうだ。

今朝は、インターネットに接続するとツイばることは確実なので、妻が起きてくる前の1時間、もう一度志賀直哉の「山科の記憶」をはじめとする「山科もの」4部作のうち、「瑣事」と「晩秋」を読み直した、「細君」云々とは無関係に。
正確には、「晩秋」が「瑣事」の原稿のこと、そして、それを妻が第三者(むかし志賀宅に居候していた女性=田舎者と作中の私はいう)に告げ口されるという構成になっていて、その関係が面白いなとそういう目線で見ていた。

前置きが長くなった。それで、「細君」のことである。「瑣事」のなかに、自分(43歳)と仲居のお清(20歳)の関係を、客車にたまたま乗り合わせた、「六十近い半白の老人とその細君らしい二十三四の眉毛を剃り落とした女」になぞらえているシーンを見つけた、という次第。まあ、アラカンが「老人」というのも大正年間(14年に発表)らしいし、眉毛を剃り落とす女(眉毛を取るのは貴族などが感情の動きを読み取られまいとしたためという話を聞いたことがある)というのも、なかなか舞踏ぼくて興味深い。

で、「細君」=妻である。この場合、同輩と見ているということが「細君」という呼び方で分かる。同輩というのは、友達を「○○君」と呼ぶところから、その続きで、その君呼びの連続として細君が自然と出てくるのかも(連想的に)。では、目上の奥様の場合、「細君」と呼んだ例はないのかどうか。まあ、何かの折に細君が出てきたら、チェックしてみよう(些細なことだが、志賀直哉を読み出すと、そういう微細な心の機微みたいなところにずいぶん注目させられるのである)。

あと、「瑣事」には英語がけっこう出てくる。ポケットやオートバイ、「活動のロケーション」は別としても、ヴァニティーとイリュージョンがキーワードになっていて、とりわけ、お清(「彼」=話者の浮気相手)の「女の一種のヴァニティー」だと解する、というところなど、出だしの重要なところで使っている。あんまり、志賀直哉とモダンな外来語は結びつかない先入見があったので、ちょっと意外で面白い。

大学に行って、200人ぐらいあるレポート採点をしてから、大阪成蹊大学に行こうと思ったが、とりあえず、同大院のレポート採点(といっても11名のみ)をして、あとは、NHKの『映像の世紀第7集:勝者の世界分割』を見る。「東西の冷戦はヤルタ会談から始まった」という副題があるように、戦後の重要な国際政治の話。これは、来年度の授業に少し使えそうだ。「デモ」のシーンもあって、これは限界芸術論向け。

長岡京から山科へ。山科青少年活動センター着。時間があったので成蹊の学生の成績評価をする。
そのあと、めくるめく紙芝居。太陽クラブのみんなはいろいろ重なり、また、2回生はレポートに追われたということで、5名のみ。
でも、とても楽しかった。すごく長く続いた即興音楽で、歌というか、ラップみたいなものもやってみる。
2/5-7のアウトサイダーライブがあることがちゃんと伝わっていなかったようで、これも心配の種。でも、なるようになるさ。わたしの場合はそれよりも争いなくやりすごせるかどうかが心配かも。

帰り、そういうこともあって、駅を間違ったり、袋を忘れたり、プラットフォームで倒れたり、帰って八つ当たりしたり。散々。
黒い袋のなかは、『岡山の民俗』という買ったばかりの古本。これは、岡山の民謡(ゼミ生の研究課題)が最後にのっていたから。あとは、アウトサイダーライブのちらしと、原稿のコピーなどなど。あとで考えると、京阪三条のプラットフォームの椅子に置き忘れていたのかも知れない。そうなのに、丹波橋で特急で下りたとき、あ、電車に忘れたと思って、足がもつれてばたん。車掌さんが止めてくれていて、みんなが見る中、特急に戻ったが、黒い袋は見当たらず。
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by kogure613 | 2010-01-23 23:18 | こぐれ日録 | Trackback | Comments(0)

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